ごあいさつ
- 自治労三重県本部
中央執行委員長 -
原田 貴文
みなさんこんにちは。日ごろから県本部運動に対し、ご理解とご協力いただいていることに感謝申し上げます。
さて、8月8日に出された人事院勧告ですが、月例給、一時金とも3年連続の引き上げとなり、月例給は33年ぶりに1万円を超える高い改定となりました。主な内容は公務員の人材確保にむけ、民間企業との初任給格差是正のために大卒初任給を最大23,800円引き上げるなど、若年層を中心に大きく引き上げられたことは、若年層にとっては期待に応えた内容となっています。しかし、中高齢層への配分は少なく、現在の物価上昇等を考えると不満の残るものとなりました。
また、「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」も勧告されました。主な内容は、評価制度を活用した勤勉手当の増額、配偶者の扶養手当を廃止し、子どもの扶養手当の増額、再任用職員に対する住居手当等の支給となっており、最大の課題であった地域手当については、市町村単位が廃止され都道府県単位となり、四日市市と鈴鹿市は8%、それ以外は4%になりました。地域手当の県内一律化により、これまで人材確保で課題となっていた地域間格差は一定解消されましたが、5つの自治体では制度上地域手当が削減されることになりました。このため今年の確定闘争においては、今年度分の勧告の完全実施、会計年度任用職員も含めて改定分の4月遡及は当然のこととして、来年4月以降の賃金については、地域手当の引き上げとなる自治体においては条例改正を含めた確実な実施、地域手当の引き下げとなる自治体においては、現状の地域手当率の維持を求めるとともに、やむを得ず引き下げとなる場合には、昇格や昇給の制度の運用改善により、給与総額を維持・改善する取り組みを強化する必要があります。県本部としては、月例給および給与総額が引き下げられることなく、中高齢層を含めたすべての世代のモチベーション向上につながることを基本に取り組みを進めていきますので、組合員のみなさんのご協力をお願いします。
次に、人員確保と組織の維持・拡大の課題です。定年引き上げが始まりましたので、今後は2年に一度しか定年退職者がいない状況になりますが、計画的に新規採用者を確保していくことが必要です。また、今年の能登半島地震のような災害やコロナ禍等の緊急時だけは、マスコミも公務員の人員不足を報道しますが、緊急時だから人が足りないのではなく、私たちの職場のほとんどは、通常時であっても人が足りていない状況が続いています。さらに、多くの自治体では採用試験への応募者数の減少が続いています。このため、人材を確保するためにも若い人たちが働きたくなるような魅力ある職場をめざして、さらなる取り組みの強化が必要です。また、県内の自治体職員数が減少するなかでも、組合員数を維持・拡大して行くことが重要です。近年、県本部の組合員数は減少が続いています。新規採用職員については、ほぼすべての単組で100%の組合加入となっていますが、再任用職員については、一部の単組でしか組織化ができていません。このため、定年引き上げが始まったことから、昨年より役職定年者および再任用職員の組合加入の取り組みを強化してきました。その結果、今年の組合員数の減少は少数で収まりましたが、役職定年者は約半数の組合加入にとどまり、再任用職員はほとんど組織化が進みませんでした。組織として、体制を維持し運動を発展させていく、また、対外的に労働界や政界へ影響力を発揮するためにも、組織の規模、組合員数を維持・拡大していくことは、組織として最重要課題ですので、各単組においては、引き続き取り組みの強化をお願いします。
3点目は、あと1年を切った参議院議員選挙にむけた取り組みです。組織内参議院議員の「岸まきこ」は、公共サービスに従事する私たち自治労組合員にとって、なくてはならない存在です。コロナ禍や国の指示権を認める地方自治法の改正等において、国会で現場の課題を発言し続けてきました。これにより改善できた課題もあり、組合運動の前進につながっています。引き続き国会で「岸まきこ」に活躍してもらうためにも、支持拡大にむけて、組合員のみなさんの最大限のご協力をお願いします。
まだまだこの他にも、ロシアのウクライナ侵攻やハマスのイスラエル攻撃で始まった中東地域での戦闘等、平和・護憲の問題、団体生命共済の推進等、多くの課題が山積していますが、組合員の生活の向上と公共サービスの充実にむけて取り組みを進めていきますので、さらなる県本部への結集をお願いいたします。
2024年10月